子どもの頃は「大人の恋愛」への憧れとして読んでいた『めぞん一刻』。しかし大人になった今読み返すと、キャラクターたちの見え方が変わっていました。
単に好きな順位というだけでなく、作中の具体的なエピソードを通じて、作中において彼らがいかに重要な役割を果たしていたかを、私的な「推し」ランキングとしてTOP5をご紹介します。
ネタバレは緩いバレ要素はありますので、バレても大丈夫な方のみ下方スクロールをお願いいたします。
また、記事内の画像リンクとテキストリンクには広告リンクが含まれます。ご了承ください。
私選『めぞん一刻』推しキャラランキング
『めぞん一刻』についてです。
| 作品名 | めぞん一刻 |
| 作者 | 高橋留美子 |
| 単行本1巻と最終巻発行日 | 1982年5月1日、1987年7月1日 |
| ジャンル | 青年、恋愛、ラブコメ |
| 発行社 | 小学館 |
| レーベル | ビッグコミックス |
| 巻数 | 全15巻(単行本) |
『めぞん一刻』は高橋留美子さんが、1980年代、昭和の時代後期から末期にかけて描かれた、ラブコメの金字塔的作品です。
本稿では、私が選ぶ『めぞん一刻』の推しキャラランキングのTOP5です。
※以降、表記する巻数とページ数はオリジナル版の単行本に対応したものになります。
第5位
5位は「一の瀬花枝」さんです。
「三鷹瞬」の叔父が「酒ダルが服着とるよーな……」と一ノ瀬さんを評価しています(12巻「PART♥2 ドッグ・ホリデー」24ページより)ので、見た目は想像できるかと思います。
お酒が大好きで、日中からワンカップを呑んでいたり(12巻164ページ)、昼間から酔って部屋で寝入っている様子(5巻13ページ、7巻4ページ)が散見されます。
また、彼女は一刻館の住人のリーダー格で、四谷さんや朱美さんと一緒になって五代くんの生活をかき乱し、彼の不幸を酒の肴にするような描写が目立ちます。
五代の努力を見守る「身近な隣人」
一の瀬さんは、五代くんを茶化しながらも、彼の私生活を把握しています。
そんな様子がよく表れているシーンの一つが、12巻「PART♥7 ごめんね LUNCH・BOX」です。
管理人室で、保育園のアルバイトを解雇されたことを響子さんに言い出せず、不本意ながらキャバレーの呼び込みとして働くことになった五代くんのことを、一の瀬さんは「保育園の金に手を出したのか」などと冷やかします。
響子さんが「(仕事が)嫌になったんでしょ、根性ないんだから」と突き放すと、一の瀬さんはさらりとこう言います。
そっかなー。今でもたまに保父試験の問題集… 枕にして寝てるな
12巻「PART♥7 ごめんね LUNCH・BOX」135~136ページより
この何気ない一言から、彼女たちが日常的に5号室に入り浸っていることが伝わりますし、このセリフが五代くんの日常と響子さんとをつなげてもいます。
作者・高橋留美子さんは、巧みなセリフ回しによって、彼女の行動が単なる図々しさではなく「さりげない見守り」として機能させています。
響子の「献身」を解きほぐす役割
また、このエピソードでは、一の瀬さんは響子さんに対しても重要な役割を果たしています。
五代くんにお弁当を作り続けていたことが、かえって彼を追い詰めていたのではないか、と示唆してもいます。
ちなみに弁当は、五代くんの祖母「ゆかり」さんからお願いされて作っているので、響子さんが頼まれてもいないのに「おせっかい」をしているものではありません。
一の瀬「弁当なんか渡すから、言えなくなってたんじゃないの?」
12巻「PART♥7 ごめんね LUNCH・BOX」136ページより
響子「まっ あたしが悪いってんですか」
一の瀬「いや~~~~、もの言いたげなそぶりとか…なかった?」
(回想)響子「…… ……」
ゆかりさんから頼まれていたとは言え、響子さんの親切が、結果として五代くんの逃げ場を奪っていた。その事実を、一の瀬さんは茶化しながらも的確に指摘しています。
この言葉を投げかけられた響子さんはこれまでを回想し、思い当たる節が3回あったことに気づいて無言になると、一の瀬さんは深追いせずに部屋を退出していきます。
導き手としての優しさ
この場面で一の瀬さんは、相手に直接的な教訓を垂れることはしていません。
しかし、本筋から外れそうになったとき、あるいは頑なになっているとき、ふとした一言で本質を指し示しています。
ただし、4巻「PART♥7 事件」に代表されるように、彼女が発端となって騒動が生まれたこともありますので、良い面ばかりではありません。
というよりむしろ、9割以上、五代くんや響子さんへの意地悪です。またそこも人間らしいと言いますか。
第4位
4位は「音無響子」です。ヒロインですね。
連載当時、多くの男性読者にとって音無響子という女性は、理想を具現化したような憧れの存在でした。「頑張ってくださいね」という彼女の言葉を、まるで自分に向けられたエールのように受け取っていた読者も少なくなかったことでしょう。
大人になって変わった「管理人さん」の印象
私が初めて本作に触れたのは子どもの頃でした。当時は、亡き夫への貞節を守ろうとする彼女の姿に、大人の恋愛の重みや気高さを感じていました。
未亡人がヒロインという設定自体が当時の私には新鮮で、彼女の葛藤を追うことで、自分も少しだけ大人の世界を知ったような感覚になったものです。
しかし、自分自身が大人になり、人生の経験を積んでから読み返してみると、彼女の印象は少しずつ変化していきました。
露呈する「子どもっぽさ」という人間味
大人になってから改めて物語をたどると、響子さんの性格には「子どもっぽい」部分があることに気づかされます。

自分の感情をうまく整理できずに五代くんに八つ当たりをしたり、些細な誤解からヒステリックに殻に閉じこもったり、激しい思い込みで周囲を振り回したり……。
「若い未亡人」という記号の裏側には、実はとても等身大で、未熟な一人の女性の姿がありました。
画像の場面は彼女の怒りっぽさ・独占欲の強さをよく表されています。
「八神いぶき」が五代くんに飛びつき、腕を組んで通学している様子を見た響子さんが、顔は笑っていても怒っていることを、竹箒の竿をへし折る描写で表しているのです。何という握力!
五代くんや三鷹さんは、彼女のこうした一面に幾度となく困らされますが、読者の視点から見ると、その「面倒くささ」こそが、彼女というキャラクターに豊かな奥行きを与えているのだと感じます。
嫉妬という名の、嘘のない愛情
彼女のわがままや思い込みの激しさとった面倒くささは、その多くが五代くんへの「嫉妬」から生じています。
もちろん、された側はたまったものではありませんけど、それほどまでに心を乱し、なりふり構わず嫉妬してしまうのは、彼女がそれだけ五代くんを深く求めていることの「裏返し」でもあります。
完璧なマドンナではなく、欠点や脆さを抱えた一人の女性として描かれているからこそ、音無響子は時代を超えて愛され続けるヒロインなのだと、今は確信しています。

第3位
3位は「五代裕作」です。
主人公である五代くんは、私にとって単なる物語の登場人物ではなく、どこか自分自身の延長線上にいるような、放っておけない親近感を感じさせるキャラクターです。
「若さゆえの停滞」への共感
彼の歩む道のりは、決してスマートなものではありません。
一浪しての三流私大入学、そこでの留年の危機、難航する就職活動、ようやく決まりかけた就職先も会社の倒産で立ち消えになり、フリーター生活へ……。
こうした彼の「うまくいかなさ」は、多くの男性読者が多かれ少なかれ経験してきた、あるいは恐れてきた、等身大の挫折ではないでしょうか。
学生時代に遊びすぎてしまったり、スタートが遅れてしまったり。私自身も彼のような生き方を他人事とは思えず、それゆえに、彼がアルバイト先の保育園で「保父」という天職を見出した後も、キャバレーの呼び込みをしながら夜学に通うという、泥臭く活路を切り開いていく姿には、自分のことのように応援したくなる切実さがありました。

「優柔不断」という優しさ
五代くんの性格を語る際によく登場するのが「優柔不断」という言葉です。
画像は13巻で、彼が働くキャバレーのホステスさんから、客と結婚をするためには今が正念場だから2人の子をしばらく預かって欲しいと頼まれた五代くんが、2人を一刻館に連れ帰ったときの様子です。
一の瀬「まったく…… 次から次へとよく苦労をしょい込む男だねー」
13巻「PART♥1 なにも知らない子供たち」12ページより
響子「でも… 五代さんらしい…」
一の瀬「ま…ね」
響子「ねえ」
優柔不断=やさしさ・人の良さから、苦労を背負い込むことが五代くんらしいと話しています。それが五代裕作という人物の共通認識になっていることもこの場面から伝わります。
三鷹さんのような積極性が彼に少しでもあれば、物語はもっと早く結末を迎えていたかもしれません。その優しすぎるが故の決断の遅さが、響子さんを不安にさせ、「七尾こずえ」との関係を長引かせてしまったのは事実、あるでしょう。
しかし、その優柔不断さは「誰も傷つけたくない」という彼の純粋な心の裏返しでもあります。
もし彼がもっと器用で強引な性格であったなら、夫を亡くしたことで傷ついていた響子さんは、彼に対してあそこまで心を開かなかったかもしれません。
彼の頼りなさは、裏を返せば、相手が安心して踏み込める「余白」でもあったのだと感じます。
羨望の対象としての、変わらない心
子どもの頃に読んだときは、響子さんやこずえちゃん、そして八神といった魅力的な女性たちに好かれる彼を、羨ましく思う気持ちが少なからずありました。
しかし、大人になって改めて気づくのは、彼が物語を通じて一貫して持ち続けていた「純粋な心」の価値です。
都会の喧騒や一刻館の住人たちに揉まれながらも、決して擦り切れることのなかった彼の誠実さ。派手さはなくとも、その内面の良さが外見(顔立ちや佇まい)にも滲み出ていたからこそ、彼女たちが彼に惹かれたのだと納得できます。
自分自身の欠点も、五代くんというフィルターを通すことで「それも人間らしさの一部なのだ」と肯定させてくれる。そんな包容力のあるキャラクターだと言えます。
番外編
2位に移る前に、番外編としてキャバレーの「上司」を挙げさせていただきます。
好きなキャラクターなのでどうしても入れたくて。すみません。
物語の終盤に、保育園のアルバイトをクビになった五代くんが、悪友・坂本に紹介されて入ったのがキャバレーの呼び込み業務でした。
そこで、坂本の高校の先輩として登場するのが「上司」の男です。作中、名前が一度も書かれていませんので、当サイトでは「上司」として紹介させていただきます。
上司は髪型がパンチパーマで、目つきが鋭く、行動にも言葉にも品のない、わかりやすくチンピラ然とした人物です。そんな彼ですが、中身は外見などからは想像もつかないほど(失礼)「まとも」な人で、五代くんのよい兄貴分となっていました。
「無償の父性」を持つ理解者
彼は五代くんに対して、見返りを求めない、ある種の「父性」を示しています。
例えば、15巻「PART♥3 TEL YOU SWEET」。保父試験の合格発表の日、結果を受けてキャバレーに行くと上司が通りの男たちに来店を呼びかけています。
そこに五代くんがやって来て、彼に気づいた上司は「おう。発表見て来たか」「で?」と声をかけるのですね。
このときの上司がいいんです。いかにも興味がなさそうに、「平常を装って」五代くんに聞いています。これは不合格の可能性があるので、気を遣っているのだと思われます。
強面ですけど優しいのですよね、配慮できる人なんです。
五代くんが「おかげさまで!」と言うや、上司は晴れやかな表情になって「そうかっ! おお、そうかあっ!!」と言って、五代くんの背中を左手で叩いて祝福しています(59ページ)。
この喜ぶ様子があるからこそ、その前の「おう」とか「で?」とかの言葉が、相手を配慮した言葉であることもわかり、上司の人柄のよさを感じ取れますし、またそれを表現できる高橋留美子さんが素晴らしいと思います。
他にも、上司は常に五代くんに対して厳しいながらも決して見捨てず接していて、この利害関係を超えた関係は、まるで父親が子を一人前の「男」に育てているようです。
外部からの指摘と優しさ
また、上司は響子さんにも重要な指摘をしています。
14巻「PART♥3 戸惑いロマンス」にて、五代くんが寝泊まりしていたキャバレーに響子さんが訪れると、五代くんがいないところで、上司が彼女にお茶を出しながらこう言いました。
余計なことかもしんないけどお
14巻「PART♥3 戸惑いロマンス」59~60ページより
もうちっとくつろがせてやった方がいーんじゃない?
なんかあいつ見てると、無理してあがいてるみたいでさ。
(略)
とにかくさ、試験終わったら五代…アパートに帰るんだし
やさしくしてやんなよね。
この上司の発言は、五代くんの働く様子ばかりでなく、保父試験のために数カ月間も職場に泊まり込んでいる彼の「状態」を指摘しています。
五代くんが将来への不安や、キャバレーという不慣れな環境、そして響子さんやみんなの期待に応えたいという思い……それらすべてを抱えて、溺れそうになりながら必死に手足を動かしている姿を正確に捉えた言葉です。
彼をずっと見て来たからこそ言える言葉ですし、主観的な同情だけでは、この発言は出て来ないだろうと思わせます。
さらに、「やさしくしてやんなよね」という言葉は、裏を返せば「あんたが彼を追い詰めている自覚はあるかい?」という、響子さんへの厳しくも優しい問いかけでもあります。
実際に、響子さんのモノローグには「なによ、まるであたしが五代さんを追い込んでるみたいじゃないの」(60ページ)とあるので、彼の意図は伝わっているのでしょう。やや卑屈な受け取り方とは思いますが、それほど彼女に刺さる言葉だったとも言えそうです。
「節度」という名の美学
私がこの上司を好きなところは、彼は「踏み込みすぎない」という美学を持っていることです。
五代くんの私生活や恋愛事情をすべて把握しながら、それを揶揄するのではなく、あくまで「仕事に支障をきたすな」という仕事人の論理で接する。
この節度こそが、四谷さんたち一刻館の住人にはない、上司の「大人としての品格」だと感じます。

話が少し長過ぎましたが、そろそろランキングに戻りましょう。
第2位
2位は「八神いぶき」です。
物語の後半、五代くんと管理人さんに大きな波紋を投じたのが五代くんの教育実習の教え子である八神です。
若さゆえと決めつけるにはあまりに情熱的・積極的な彼女は、単なるお騒がせ女子高生ではなく、停滞していた物語の時計の針を動かす、非常に重要な役割を担っていました。
恋敵を認めるという「リスペクト」
彼女を語る上で欠かせないのが、11巻「PART♥11 弱虫」での雪の日のシーンです。
八神は、響子さんが「亡き夫を愛しているからこそ、新しい恋に踏み出すことが、かつての愛を嘘にすることになる」という葛藤に苦しんでいることを知ります。
そのとき、八神は響子さんの五代くんへの想いが、かつての旦那さんへの愛に匹敵するほど「本物」であることを悟りました。恋のライバルとしてこれほど残酷な事実はありませが、彼女はそこから逃げませんでした。
「弱虫」という名の、あまりにも切ないエール
雪の降る時計坂で、響子さんとすれ違いざまに八神が放った「弱虫!!」という言葉。 これは単なる罵倒ではありません。
五代くんの心が自分にないことを理解した上で、それでもなお「愛する覚悟」を決めきれず、自分の殻に閉じこもる響子さんを鼓舞する、精一杯のエールでした。

(だんなさんと同じくらい 五代先生のこと 好きなわけ。……元気づけてやろうか)
11巻「PART♥11 弱虫」224~226ページより
弱虫。
弱虫。
モノローグでは「元気づけてやろうか」と思っているのに、いざ目の前にするとプライドとライバル心が邪魔をして、ぶっきらぼうに「弱虫」と吐き捨ててしまう。
このいじらしさと、相手の「幸せになっていいんだ」という想いを裏に隠した不器用な優しさに、私は胸を打たれます。
浄化されていく二人の関係
この言葉を投げかけられた響子さんは、何も言い返さずに無言を貫きます。
八神の言葉が図星であったこと、そして年下のライバルが自分に対して示してくれた「敬意」と「覚悟」を、響子さんもしっかりと受け止めたのでしょう。
雪の日の張り詰めた空気と同様、静かで美しい名シーンです。
相手の「本気」を認めたからこそ、自分の「敗北」も受け入れる。八神いぶきというキャラクターは、誰よりも純粋に恋と向き合い、その痛みさえも響子さんの背中を押すエネルギーに変えてみせました。彼女の存在があったからこそ、物語は最終的な大団円へと向かうことができたのだと感じます。
頭のいい人ですし、行動力もあるので、将来大物になりますよね、八神は。

第1位
1位は「六本木朱美」です。6号室の住人。
露出の多い格好で館内をうろつき、昼間からお酒を呑んでいる彼女は、一見するとただの奔放な女性に見えます。
しかし、大人になって読み返すと、彼女の「矛盾」や「適当さ」がいかに一刻館の空気を風通し良くしていたかに気づかされます。
「自分のことは棚に上げる」という救い
朱美さんの最大の特徴は、驚くほど自分のことを棚に上げることです。
職場放棄じゃない、これー? 職業婦人の自覚ないのかしら
14巻「PART♥5 出たとこ勝負」121ページより
自分はスナック「茶々丸」で、一の瀬さんや四谷産といっしょになって酒を呑みつつ駄弁っているのに、五代くんと喧嘩して職場放棄中の管理人さんに「職業婦人の自覚」を説いています。
普通なら反感を買いそうな言動ですが、彼女のこの「矛盾」こそが、生真面目すぎる響子さんにとって、ある種の「毒抜き」になっていました。何とか一人前になろうと足掻く五代くんにとっても同じかもしれません。
正論が何でもかんでも正しいのではなく、だらしない大人としての「まあ、いいじゃない」という空気が、どれほど彼らの心を軽くしたことでしょうか。
響子を「聖域」から連れ出した、言葉の劇薬
物語の終盤、五代くんとの関係に悩んでいた響子さんに対し、朱美さんは容赦のない言葉を投げかけます。
ろくに手も握らせない男のことで、無くわ わめくは、どうなってんの。
14巻「PART♥10 好きだから…」203ページより
あんたみたいな面倒くさい女から男とるほど、あたしもの好きじゃないわよ、バカ
多くの人が、未亡人としての響子さんの立場に配慮して言えなかった本音を、朱美さんは一気にぶちまけました。
彼女は、聖域化されがちな響子さんの葛藤を、単なる「面倒くさい意地」にまで解体してみせたのです。
この「劇薬」のような言葉があったからこそ、響子さんはようやく自分のプライドから解放され、五代くんへの想いに素直になることができたと言えるでしょう。その後、二人は急速に近づいていきます。
毒舌の後に差し出される「ハンカチ」
しかし、彼女が単なる冷たい人間ではないことは、その直後の行動に表れています。
コートくらい届けてやれば? 冷えてきたし
14巻「PART♥10 好きだから…」203ページより
「バカ」と突き放しながらも、泣きじゃくる響子さんの涙をハンカチで拭いてあげ、彼女が忘れていったコートを五代くんに手渡し、追いかけなさいよ、と促す。
こうした「核心を突く厳しさ」と「寄り添う優しさ」の共存こそが、朱美さんという女性の真骨頂です。
朱美「やれやれ世話のやける…」
14巻「PART♥10 好きだから…」204ページより
一の瀬さん「よく言うよ、ことを荒立てた張本人が」
続く204ページでは、「世話のやける」と言っているので、「バカ」などの発言も二人のことを想って、あえて言っている悪言とわかります。強引かもしれませんけど、これも優しさです。
普段は二人の生活・人生の邪魔ばかりしていても、ここぞという時には「家族」として体を張って味方をする。そんな彼女の逞しさと優しさが、一刻館という場所をただの下宿ではなく、温かな「家」にしていたのだと確信しています。
朱美さんはシンプルにかっこいいです。

まとめ
まとめます。
こうして改めて1位から5位までを振り返りますと、私が惹かれたのは強い個性ではなく、彼らが織りなす「不器用な優しさの連鎖」だったのだと気づかされます。
今回選んだ5人は、それぞれ立場も年齢も違いますが、共通しているのは「相手の欠点や弱さを否定せずに、そばに居続けた」という点です。
- 朱美さんや一の瀬さんは、だらしなさや茶化しの中に、大人としての逃げ道を用意した。
- 八神は、若さゆえのひたむきさで、停滞していた二人の背中を押し出した。
- 迷いながらも歩み続けた五代くんと、そんな彼を受け入れた響子さん。
子どもの頃は、響子さんの美しさや五代くんの恋の行方ばかりに目を奪われていました。
しかし、大人になった今、一刻館の住人たちが発する何気ない一言が、より深く心に響くようです。
彼らもまた、時に間違い、時に自分のことを棚に上げながら、一生懸命に今日を過ごしています。その「ままならなさ」を認め合う姿こそが、『めぞん一刻』という作品を暖かな場所にしているのでしょう。
本文に書いたことは私の個人的な意見や解釈でしかありません。決して情報を鵜呑みになさらず、参考程度に抑えて受け取ってくださると幸いです。
ということで、今回はここまでになります。
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。
今回の考察の場面を原作で読んでみたいあなたへ
今回の考察はいかがだったでしょうか?
この記事に掲載されているエピソードを漫画で読んでみたい!
そんなあなたへ、オススメできるものがあります。
※以降のリンクは広告です。
朱美さんが毒を吐きつつも響子さんと五代くんの背中を押す名シーンは14巻に収録されています。
Kindle Unlimitedもオススメ!
今回ご紹介した他にも、世の中にはまだ見ぬ素晴らしい恋愛漫画がたくさんあります。そんな新しい作品との出会いを広げてくれるのが、Amazonの読み放題サービス『Kindle Unlimited』です。
Kindle Unlimitedの30日間無料お試しのご登録はこちらからどうぞ。
>> Kindle Unlimited


コメント