『児玉まりあ文学集成』の児玉さんは文学を教えて笛田君をどうしたいの?

児玉まりあ文学集成
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三島芳治さんによる漫画『児玉まりあ文学集成』の児玉さんは、笛田くんに文学のあれこれを教えています。
しかし、それが何のためなのかがよくわからないです。どうして彼だけに教えているのか、を含めた理由を、私なりに調べて書いていきます。

ネタバレについてはあからさまなものは避けていますが、彼らのことを書くためにはどうしてもバレ要素が含まれてしまいます。バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いいたします

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児玉まりあ文学集成

作品名児玉まりあ文学集成
作者三島芳治
1巻初版発行日2019年4月25日
ジャンル青年、学園、恋愛
発行リイド社
レーベルトーチコミックス

「三島芳治」さんによる、学園もののマンガ『児玉まりあ文学集成』。
読みは「こだままりあ・ぶんがく・しゅうせい」。
ジャンルは学園ものであり恋愛ものでもあります。王道と言えば王道ジャンルですね。

「これは児玉さんが笛田くんに文学講義を行いながら 高校生活を謳歌するお話です」
単行本の帯には上記のとおりに書かれています。このとおりの内容です。

今回はメインキャラクターである「児玉まりあ」がどうして「笛田実」に文学を教えているのか、について扱っていきます。

「児玉まりあ(こだま・まりあ)」は高校生、文学部に所属しています。文芸部ではありません。女子生徒。
文学部は物語開始時は彼女一人だけが所属しています。一人しかいない部活動が部として認可されているのか、その点は26話でそれとなく触れられています。

「笛田実(ふえた・みのる)」は、児玉さんと同じ学校に通う、おそらく同学年の男子生徒です。
文学部に入部希望をしているのですが、物語開始時で既に1年ちかく、毎日のように児玉さんから出される入部試験に落ち続けており、まだ入部できていません。

ですが、彼は毎日のように文学部に通っていますし、彼女も彼に毎日お題を出し続けています。

何のために教えている?

児玉さんは、そんな見込みの薄い、あるいは無い彼に対して、どうして毎日試験を出題し続けているのでしょうか。

その答えは第五話「盲目の文学」にありました。

その 妄想力に 私の技術を 教えて あげれば
きっと すごい 文学者に なるよ
私なんて ぜんぜん かなわない…
盲目の 大文学者に

第五話「盲目の文学」(1巻100~101話)より

児玉さんは彼に自分さえ敵わない文学者としての素質を見出していて、彼の素質を開花させるべく毎日のように出題をしたり何なりをしているようです。

なぜ笛田君なの?

ではどうして笛田くんが選ばれたのでしょうか。
平凡な男の子然としている彼がなぜ。

この前 大天使ガブリエルが 部室に現れて こう告げたの
「貴女は選ばれました まりあ」
「笛田君を導くことが貴女のつとめなのです」
ってね

第五話「盲目の文学」(1巻91ページ)より

また、まりあがどうして彼に文学を惜しげもなく教えているか。
文学少女が自分を上回る文学者なんて生み出す必要がないようにも思います。
自分の大成の邪魔者になるかもしれませんから。

その理由が引用部です。
引用部のセリフは5話時点でのもので、この時点で彼女の発言は冗談としても受け取れます。
ところが第二十六話「まりあ誕生」まで読み進めると、どうやら本気で言っていることがわかってきます。
大天使ガブリエルが作品に登場するので。
メタ的なことを言えば、それを含めて後付け設定とも言えそうですけど。

児玉さんとしては大天使がそう予言をしたから、が始まりでした。

では大天使はどうして彼を選んだのでしょうか。
それはおそらくですが、第27話「マルチバース・オブ・バルザック」に書かれている言葉がそれかもしれません。

そして今 ふたたび
現実を疑う 笛田君の妄想が ◯◯の形を変えよう としているの

第二十七話「マルチバース・オブ・バルザック」(4巻157ページ)より

(◯◯はバレ防止のため私の判断で伏せ字にしました。実際には言葉が入ります)

彼にはそのくらいの力がある、と児玉さんは言っています。
どこまでが本気かはわからないものの。

笛田君の目的

一方で、笛田くんの目的は何でしょう。
どうして文学部に入りたいのか、試験に落ち続けているのにどうして文芸部に通い続けているのか。

笛田君は今日も
ぼんやりした顔で 私の話を聞いています
話の内容よりも
私自身に興味がある事がばればれでした

第十六話「ふたりモノローグ」(3巻35ページ)より

引用部は児玉さんのモノローグです。

引用部で大事なところは「今日も」です。今日だけでなく昨日も一昨日もその前も、いつもなのでしょう。
彼は彼女自身に興味があるのであって、つまり彼の目的は児玉さんと一緒にいることが目的なのですね。
別の言い方をすれば「文学が目的ではない」ということ。

そこに児玉さんとの齟齬はあるのですが、彼女もそのことに気づいていますし、学校がある日は毎日のように一緒にいるのですから、結果的には彼に文学を教えていることになるのでしょう。

なぜ断らないのか?

なぜ児玉さんは大天使の予言を断らないのでしょう。
断る権利だって彼女にはあるはずです。

先ほども取り上げたように、笛田くんが「すごい文学者」になる可能性を秘めているから、が理由になるのでしょう。

しかし、他の人に対してとても排他的な言動を彼女は採ります。
例えば、第十四話「ポエトリー イン フロー フレーズ」では、自分と同じ文学少女になりそうになっていた「井上」さんの、文学少女化を防いでいました。
第二十一話「文学部は何か」では、文学部に入部しようとした「メアリーシェリー」という女の子が登場するのですが、入部をきっぱりと断っています。
その後メアリーシェリーさんは国際的な評価を得ることになるそうです。だからこそ部員にしたくなかったのでしょう。

そんな、出る前から出そうな杭を打っているにもかかわらず、笛田くんに対してはどうして自ら積極的に教えているのか、と思ってしまいます。

ガブリエルの予言どおり動く理由はないでしょう。断ることが選択肢にあっていいはずです。
井上さんやメアリーシェリーさんのように、自分の文学者の道には邪魔になる可能性があるのですから。

なぜ断らないのか、点については作中に明言されている場面はなかったかと思います。見落としがなければ。

そういえば 笛田君の 外見も そうよね
(略)
実際に たいした外見では ないだろうし
他の人には 醜い化物に 見えている かもしれない けれど
私の目には◯◯ 様かもしれない

第二十二話「恋愛の非文学的な事について」(4巻46~47ページ)より

(◯◯はネタバレ防止のため私の判断で変えています。実際にはある単語が書かれています)
そういうことも理由なのでしょう。
と言いますか、「そういうこと”も”」ではなく、「そういうこと”だからこそ”」が理由なのだと思います。
要するに、児玉さんが彼に恋したから、でしょうね。

大文学者になったら?

そして、児玉さんが望んでいるとおり、笛田くんが大文学者になったら、彼女自身はどうするつもりなのでしょう。

それは
主人公が その試練を 乗りこえて 来た時
笛田君の◯になること
言葉の上だけで
それが文学よ

第十一話「クラスログレコード」(2巻89~90ページ)より

引用は「神話的に言うと」という前提でのセリフです。(◯部分は自重して伏せました。実際にはある単語が入ります)

周りはどう見ているか

周りの人たちは、そんな2人のやり取りをどう思っているでしょうか。

自分だって笛田に夢みてるじゃない
全く
何やってるのよ
あの二人は

第五話「盲目の文学」(1巻102ページ)より

児玉さんのクラスメイトでしょうか、それともコンピューター研究会の「杉原」さんでしょうか、2人で廊下で話しているときのその級友の言葉です。
傍から見れば、2人はわかりやすく好き合っていますし、信頼し合って、期待し合って、いちゃついています。

まとめ

まとめます。

三島芳治さんの漫画『児玉まりあ文学集成』の児玉さんは笛田くんに文学を教えて彼をどうしたいのか。
それは彼を大文学者にしたい。
彼女は彼が自分を上回る文学者になる素質があると思っているし、大文学者にすることを自分の「務め」とさえ思っている。
笛田くんは、児玉さんに会いたいから毎日のように文学部に来ているし、文学よりも彼女のことに興味を抱いている、と思われる。
周りからすると、お互いがお互いを信頼しているし期待している、ようにしか見えていないようだ。

というのが、私なりの解釈と感想でした。

本文に書いたことはあくまでも私個人の意見でしかありません。一意見ですので、絶対的なものとは思わず、参考程度におさえてご覧になってください。

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