『スキップとローファー』の「兼近鳴海」を推している読者が多そうだなと思っています。
どういう人物かの簡単なご紹介と、どうして推しが多そうと思えるかの私なりの解釈なり考えなりをこの記事では書いていきます。
ネタバレについては、アニメ1期終了以降の内容に触れていますので、アニメ版のみから情報を得ている方にとっては強いネタバレ要素が含まれています。バレても大丈夫な方のみ下方スクロールをお願いいたします。
また、当サイト内の画像リンクとテキストリンクはアフィリエイトリンクが含まれています。こちらもあわせてご了承なさってください。
スキローの兼近先輩
| 作品名 | スキップとローファー |
| 作者 | 高松美咲 |
| ジャンル | 青年、学園、恋愛 |
| 発行社 | 講談社 |
| レーベル | アフタヌーンKC |
前情報があります。それは私が「単行本」派ということです。言い換えますと、掲載誌『月刊アフタヌーン』を購読していない、ということ。
本文に書かれている内容は単行本の1巻から最新巻までの情報ですから、厳密には最新ではないです。こちらをご了承いただいた上で、本文をご覧になってください。
さて、今回ご紹介しますのは「兼近鳴海(かねちか・なるみ)」です。
作中「兼近先輩」と先輩呼びをされていて、そこまでがセットで名称になっている感があり、当サイトでも先輩までをセットで書くことも多くなると思います。
その兼近先輩は本作のメインキャラクターの一人「岩倉美津未(いわくら・みつみ)」(以降、みつみと表記)や「志摩聡介(しま・そうすけ)」たちと、同じく「つばめ西高校」にかよう、彼らの1学年上の男子生徒です。
見た目はおかっぱ頭と言いますか、髪型の名前がわからないですがそれで、髪色はアニメでは青みがかったグレー色で、刈り上げているところは黒色でした。左耳にピアスをしています。
メガネを掛けて、目は大きめでややツリ目、黒目小さめ。
初登場時、演劇部の部長を務めていました。3年春の講演会を最後に部長を引退。
彼自身は役者ではなく脚本などの担当で、プロの「劇作家」を目指しています。
運動は苦手な様子。Scene9「いそいそのクラスマッチ」では「運動能力ではどうあがいても戦力外だからね 僕は」と自ら言っています。
推しが多そう
そんな兼近先輩を「推す」読者さんは多かろうと想像します。
理由は「いい奴」だからです。
コムラ
たとえば、生徒会長選挙で、生徒会長になると思われた「高嶺先輩」が、選挙に敗れて落ち込んでいると、兼近先輩は生徒会室である映画を上映します。
映画を高峰先輩やみつみ、志摩に見せたのですね。
アニメでも扱われたエピソードのはずですので、皆さんご存知と思います。
映画のタイトルは『コムラ』。
名前からおわかりと思いますが『ゴジラ』みたいな作品です。
彼の処女作で、つまり幼い頃の作品ですから、演技(彼の幼少期が映っている!)も設定も何もか拙いのですね。
今の彼からすれば「黒歴史」そのものです。
では、どうして自分の恥部のような作品を他人に見せたのか?
当たり前だろ! ワキ汗が止まらないよ こんなの!
Scene12「バタバタの生徒会長選挙」
(略)
そりゃ僕だって僕だっていつか最高のものを作って みんなに認められたいけど……
これだって誰にも観せないよりは君らが笑ってくれるならいいと思ったんだ
引用部のような理由からでした。
恥ずかしいけど、高峰先輩たちに笑って欲しいという想いの方が上回った、ということですね。
この考え方はまさに「見せることを職業に選ぼうとしている人」です。
志摩を後押し
3年春に部長を辞するとき、兼近先輩は志摩を次の部長はどうかと誘っていました。
君が前に出ることはな~~~んにも変じゃないって覚えといてくれよ!
Scene43「ちぐはぐの気持ち」(8巻32ページ)より
引用は、志摩が部長の誘いを断り、副部長ならと言ってきたことに対しての言葉です。
志摩は過去子役をしていて、色々あって子役も芝居も辞めてしまっています。
文化祭の出し物であっても、自分がもう一度表舞台に立つことを躊躇する傾向が強くあります。
兼近彼が元子役ということは知っていても、その背景など詳しい事情を知らないこともあるのかもしれませんが、そんな彼に前に出ていいんだと背中を押しています。
知らないからこそ言えたことなのかもしれないですけど、個人的にはこの台詞はとても好きですね。
同じじゃない
また、Scene59「ギラギラの進路<2>」では、高峰先輩に生徒会長選挙で勝った生徒会長「風上紘人(かざかみ・ひろと)」へ良い言葉を贈っています。
風上は、進路に悩んでいました。
T大が当たり前の家系で、彼自身模試でA判定、サッカー部では1年からレギュラー(怪我の影響があり退部してしまいますが次期主将候補)でしたし、ダンス部の美人さんと付き合っていた(別れているけどあちらはまだ未練があるっぽい)、人望があり生徒会長にもなった。
しかし、本当は彼は特撮ものが大好きで、でもそれを周りには話さないで(隠して)いました。
彼の部屋には特撮ヒーローものの『ダイバー』のソフビフィギュアが飾られていたのですが、ある日、学校に行っている間にか母親に持ち出されていました。
通っている料理教室の孫にあげたのだとか。
そのことで親とひと悶着あったのですが、風上はそれも受け入れて、でもイラついていたところ、ある事情から、ダイバー好きであることが兼近に知られることになります。
ソフビ人形が勝手に持ち出されたことを話し、欲しかったらまた買うと風上が言うと、兼近は次のように言い返すのですね。
いや全然よくないだろ
Scene59「ギラギラの進路<2>」(10巻136ページ)より
同じじゃないし
その言葉に風上は救われたみたいですね。
「まーでもそうだよな 全然よくねぇよな」と自分に言い聞かせるように言うのです。
兼近先輩は料理教室に取り戻しに行こうと誘うのですが、風上はそれを拒否します。
食い下がろうとする兼近に対し彼は「それだけでいいんだよ」と言って去っていきます。
その後、彼は進路を決めたようです。
進路をどうしたかは、ぜひ10巻を読んでください。
兼近先輩は純粋に、彼が大切にしてきたそのソフビには代わりはないと、裏も何もない、純粋な想いで言ったのですよね。
彼の純粋さは風上にも届いた、ということでしょう。よいシーン。
これらが兼近先輩推しの読者は多いだろうなと想像できる場面です。
空気の読めなさ
兼近先輩は「空気の読めなさ」にも特徴があります。
これは良くも悪くも、でしょう。
良くない意味で言えば、Scene3「うろうろの部活動」で彼は初登場するのですが、そこで志摩と初めて会い、彼に既視感があったようでした。
兼近は志摩にどっかで会ったことはないかと聞きます。
聞かれた彼は、1コマ間を空けた後に、無いと答えました。
無言の1コマで、これ以上その話題を振るな、という空気を出したのでしょう。
がその後、兼近は彼が過去、子役としてテレビ番組に出演していたことを思い出し、それを本人に追及するのですね。
志摩としては触れて欲しくなかったことだっただけに、「わかりませんかね きかれたくないんですよ」「そんなことも察せられなくてよく劇作家とか言えましたね」と、きつめの言葉で返していました。
しかし、兼近はそんな言葉にめげるタイプではなく、その後も志摩やみつみに関わっていくことになります。
この良くない意味での空気の読めなさは、物語の序盤での出来事でしたから、作者さん的に彼のキャラクターを決めきれていなかった可能性は大いにあるでしょう。
良い意味での空気の読めなさと言うと、例えば、上にもご紹介した風上のソフビ人形の件です。
風上は特撮好きのイメージがまるでない人ですから、知ったところでなかなか聞きづらい状況ですけど、彼はそんな空気は存在しないかのように聞けてしまいます。
風上にとって彼の行動は「うざ絡み」ではあったでしょうけど、でもそのおかげで大切にしていた人形を勝手に持ち出されることは「全然よくない」ことだと、言ってもらえてもいますね。
こちらが彼の良い意味での空気の読めなさかなと思います。
しかし、72話で志摩の恋に勘づいている様子でした。人の心の機微にも鋭さを見せているので、鈍かったり鋭かったりは、場合によりけりなのでしょう。
過去
兼近が周りを大切にしていることには原因がありそうです。
彼は小学校の頃、リアルの友だちがいませんでした。映画やドラマ、父親に連れて行ってもらった舞台が友だちです(Scene72「わたわたの文化祭<3>」12巻164ページより)。
私の想像ですけど、小学生の頃にリアル友がいなかったからこそ、高校では自分から積極的に関わるように、人との接し方を変えたのかな、と思っています。
高校の彼は、小学生時代の孤独な様子とはだいぶ異なるので。
好きな芝居のことで語り合える友だちが中学まではいなかったけど、高校では芝居のことで語り合える、志摩たち演劇部の仲間(友だち)ができた。このことも大きかったのでしょう。
仲間と好きなことを本気で語り合えることが嬉しいから、彼らを大切にしたいと思っているのではないかな、ということを考えます。
劇作家は、人をあっと思わせたり喜ばせたりすることを目指して作品を作っているでしょうから、自分がしたことで相手がどのように感じるか、をより敏感に察知する力は欲しいのではないかと想像します。
その意味でも、友だち一人もいないより、一人でもいた方がきっといいですよね。
まとめ
まとめます。
『スキップとローファー』の「兼近鳴海」は読者からの人気が高いと想像される。
理由は、友人を元気づけるために自分が黒歴史と感じている自作映画を見せたり、前に出ることを戸惑っている志摩の背中を押す発言をしたり、風上の大切にしていたけど諦めようとしていた物にそれは大切にするべきものだと真剣に言ってあげたり、志摩の恋に気づいたことを洒落のある喩えで示したりするから、と想像。
彼は空気の読めない言動をたびたびする。それがよい場合も良くない場合もあるが、基本的に彼は好きに対して純粋な人だから、その空気の読めなさはよい方向に作用することの方が多そう。
彼の過去がちょっと寂しいもの。しかしその孤独がもしかしたら高校の積極性に通じているのなら、寂しいけれど救いがあった。
というのが、私なりの解釈と感想でした。
本文に書いたことは私の解釈や感想、意見です。つまり一個人の意見でしかないありません。本文に書かれたことを鵜呑みにはなさらずご覧になってください。
今回の考察の場面を原作で読んでみたいあなたへ
今回の考察はいかがだったでしょうか?
この記事に掲載されているエピソードを漫画で読んでみたい!
そんなあなたへ、オススメできるものがあります。
例えば、兼近先輩の幼少期に撮影・主演した『コムラ』の場面は単行本3巻に収録されています。ぜひご覧になってください。
※以降のリンクは広告です。
ちなみに彼はW大(早稲田大学?)を受験する予定です。
(演劇の)有名なガチなサークルがあって、プロを目指すならそこだとか何とか。
Kindle Unlimitedもオススメ!
今回ご紹介した他にも、世の中にはまだ見ぬ素晴らしい恋愛漫画がたくさんあります。そんな新しい作品との出会いを広げてくれるのが、Amazonの読み放題サービス『Kindle Unlimited』です。
Kindle Unlimitedの30日間無料お試しのご登録はこちらからどうぞ。
>> Kindle Unlimited


コメント