『スキップとローファー』の志摩が苦手、その理由は何か?

スキップとローファー
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スキップとローファー』のメインキャラ「志摩聡介」のことを苦手な人はいると想像します。
私もある出来事までの彼は苦手で、その後の彼はそうではなくなりつつあります。

志摩のどこが苦手か、どうしてか、苦手じゃなくなってきた理由など、私なりの考えを書いていきます。
私に意見が絶対的なものではないとは思いますので、いち意見としてご覧になってください。

ネタバレについては、アニメ1期終了後の内容に触れる内容ですので、アニメ派の方には強いバレも含まれています。バレても大丈夫な方のみ下方スクロールをお願いいたします。

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スキロー「志摩聡介」

作品名スキップとローファー
作者高松美咲
ジャンル青年、学園、恋愛
発行社講談社
レーベルアフタヌーンKC

前情報としては、私は「単行本」から本作の情報を得ていることです。
『アフタヌーン』の連載を読んでいませんから、本文に書かれている内容は厳密には最新ではないです。こちらもご了承ください。

この記事では「志摩聡介(しま・そうすけ)」について書いていきます。

本作のメインキャラクターの一人ですね。
もう一人のメインキャラ「岩倉美津未(いわくら・みつみ)」(以下、みつみと表記します)とは、2人して入学式に遅刻し、駅で出会いました。
その後も同じクラスにもなるなど縁が続いて、入学早々友だちになります。志摩からみつみに(LINEと思われる)IDを聞いて。

外見は上に貼った画像のとおり、簡単に言えば爽やかイケメン。
身長は具体的な身長はわからず、イメージだと175~180cmの間くらい。
髪色は表紙絵やアニメを見るかぎり、金髪ではなく、明るい茶やベージュでしょう。
髪質は本人曰く「天パで猫っ毛だから」(Scene2「そわそわのカラオケボックス」より)とのこと。
目は大きくやや垂れています。
部活は1年途中から「演劇部」に所属。
球技大会ではバスケットで活躍をしていることから、運動は得意。

好みこそあれ、外見的にはパーフェクトな人と言っていいと思います。
そんな完璧超人が「いなかモンの妙ちくりん」(Scene2「そわそわのカラオケボックス」より)な女の子と恋に落ちる、そんな物語がスキローです。

しかも志摩は元子役、元芸能人です。
母が強烈に息子を芸能界に推していたことから、彼も母の期待に応えよう、応えなければと頑張っていたものの、あるタイミングでキャパシティオーバーを起こしてしまい、以来彼は子役から離れ、母とも関係がうまくいっていません。
高校に入って、というかみつみと出会ってから、徐々に母との関係が改善されつつあります。

志摩の性格は「優しい」です。
みつみだけでなく、クラスでも男女問わずに優しく、人気があります。
ただこの優しさが、個人的な彼への苦手意識になっているように思います。

具体的には次の項目から書いてきましょう。

苦手な理由

私が志摩聡介を苦手に思っている、その理由はどこにあるのか。

オレがオレのためにやればいいってこと?
わかんないな
極端な話好きな食べ物とかもポンと思い浮かばないんだよな オレ
周りが自分に望んでることならわかるのに
そっちに合わせてたほうが みんな喜ぶくせに
オレだって楽だし

Scene22「ワイワイの文化祭」(4巻134ページ)より

引用のうち、特に「周りが自分に望んでることならわかるのに」部分が苦手です。彼は本当にわかっているのでしょうか。

彼がそう思っているだけで、実際にはそんなことはないかもしれませんよね。
彼はそれをどうやって確認しているのか、証明しているのか。

彼が本当に「周りが望んでいることがわかる」と思っているなら、相当な傲慢さだと私は思います。

Scene2「そわそわのカラオケボックス」で、彼は志摩に近づくために、みつみたちライバルを蹴落とそうと躍起になっている「江頭ミカ」に対し、「も少し肩の力抜いていいんじゃない?」と声をかけていました。
周りの望む志摩聡介を演じ続けている自分は肩の力入っていないのか? と思ってしまいます。
そしてその台詞はミカのことを見下しているのでは、とも思います。
人の望んでいることがわかるのなら、ミカが自分に向けられた好意にも気づいている訳で、その上でそのようなことを言ってしまっている時点で、かなり感じが悪い人です。

彼のそういう「オレ、わかってる」感を、私は苦手なのだと思います。何様ですかと。

本人的には真剣なんだろうけど
こんなことで泣くんだなぁ
母数多けりゃモメ事だって当然増えるし 今なんかマシなほうでしょ
大丈夫なの? 東京に来て 官僚なんか目指して

君がいて高校生活ちょっとおもしろくなったけど
海とか山に囲まれた場所のほうが似合ってる気もする
傷つかないで
そのまんま変わらないでいてくれないかな

Scene19「ポロポロのダンス」(4巻43~45ページ)より

引用部は、文化祭の準備でみつみがオーバーキャパシティに陥り、あるやらかしをし、心配した志摩に失敗とそのときの反省を打ち明けているうちに泣き出してしまった場面。
俯いて泣いているみつみを見ながら、志摩は心の中で引用部のようにつぶやいています。

この台詞にしても、何だか上から目線です。全体に人を見下しているように私には見えてしまいますね。

変化

ただ、1年の文化祭で演技をしたことをきっかけにして、彼はだいぶ変わっていきます。
完璧なまで周りの求める志摩聡介を演じてきた彼ではなくなっていきます。

相手の求める志摩聡介を演じてきた彼は、言い換えれば素の自分を鎧で隠し、ほぼ全方向にバリアを張っている状態です。
そのことをわかっていて尚、踏み込んでこない中学からの友だち「迎井司」とは仲良くできていました。

ちょっとダサいくらいで
ゲロしたって
そっか
ふつーは嫌われないのか

Scene54「ドキドキの海<4>」(10巻22~23ページ)より

ところが、あることをきっかけにそれを外したことで、素の自分をさらけ出すことになりました。
しかし、それまでずっとバリアを張っていたものだから、素をさらすことに慣れておらず、それまでのスマートさとは真逆な不器用さを見せるようになっていきます。

(奪うのは傲慢では)
違う 違う違う違う
オレだって奪われてる
だから奪い返す
……誰から?
与えてくれる人も踏みつけて?
こんなにイラつくのは図星だからだ

Scene61「ムカムカの地区大会」(11巻48~49ページ)より

演劇部で『フランケンシュタイン』の「怪物」を演じる志摩に対して、「氏家清彦(うじいえ・きよひこ)」が「(誰からも受け入れてもらえない怪物の役を)『大体の人間から受け入れられる側』の人が奪うのは傲慢」だと言ったことを受けての、志摩の心の声が引用部になります。

鎧を外してからの方が、志摩は魅力的になったように、私は思います。
自分のそれまでの行動に疑問、あるいは嫌悪とまで言っていいかもしれませんが、その想いを抱くようになり、と同時に、処世術として周りにとって(=自分にとっても)都合のいい志摩聡介でなく、他人が向けてくる大小の悪意に対して飲み込めなくなった彼が。

ノンデリ野郎?

でもですね、鎧を外しても彼は変わらず「ノンデリ野郎」ではあるのですよ。

ノンデリ野郎とはScene62「ぎゅっのお買い物」(11巻70ページ)で迎井が彼に言い放った言葉です。
ノンデリとはノンデリカシーの略と思います。相手の気持ちを考えない、という意味でしょう。

悪意なき悪意で、ミカやみつみを振り回しています。
自らを取り囲む女子たちがダルいから助けてもらおうと、今も友だちとは言え一度振ったミカを修学旅行の班に誘ったり、一度自分の好きが恋人のそれじゃないと指摘され別れたみつみを修学旅行の自由時間にデートに誘ったり。

あの男たぶん
な~んも考えてないよ♡(意訳)

Scene62「ぎゅっのお買い物」(11巻63ページ)より

志摩がみつみを修学旅行デートに誘った真意をつかめないみつみたちは、男ったらしの「八坂千笑璃(やさか・ちえり)」の意見をもらい、その意訳が引用部です。

もー考えなしで傷つけたりはさ
しない
てかもーやめたい本気で
もっかいだけ信用して友達として
そんでそっとしといてほしー

Scene66「てくてくの修学旅行<4>」(12巻16~17ページ)より

しかし、引用部にありますように、志摩本人が迎井たちに語ったところでは、「考えなしではない」ようでした。
確かに、みつみと別れてから、みつみの実家のある石川県に仲良しグループで旅行に行ってからでしょうか、9巻くらいから、彼は明確に変わろうとしています。
バリアを張るきっかけになった、過去の呪縛を取り除こうとしています。

でも、ミカを班に誘ったことはノンデリ行為だと思うので、ノンデリが完全に無くなるかはわからないものの。
変わろうとしてすぐ変われるものでもないですし、成長とともに無くなっていく場合もあるかもしれませんが。

まとめ

まとめます。

『スキップとローファー』の志摩のことを苦手だった。
「周りの思っていることがわかる」と断言する彼は、周り全員を見下しているように思えたから。
彼がバリアを張っていたことで成り立っていたパーフェクト・志摩は、しかし、圧倒的な純粋さをみつみとの出会いからバリアを外すことになり、その後の不器用さすら感じさせる彼は嫌いではなくなっている。
しかし、部分部分においてはいまだ「ノンデリ野郎」の彼が顔をのぞかせていて、ノンデリである自覚もあるようだが、全てにおいて変わることはないかもしれないとも思わせる。

というのが、私なりの解釈と感想でした。

本文に書いたことは私一人の意見や解釈でしかありません。個人の見解ですので、書かれた情報を鵜呑みにはなさらず、ぜひ本作を手にとって、皆さんなりのご意見を持っていただけると、私も嬉しいです。

ということで、今回はここまでになります。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

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例えば、志摩くんが周りを見下しているのでは、と私が思えた場面は単行本4巻です。ぜひご覧になってください。
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実は当初、志摩の役者設定って要らないなと思っていました。
でもパーフェクトな彼がそのパーフェクトさを破壊されたらどうなるか、どう変われるか、みたいなことが描きたかったのでしょうね。いやわからないですけど。
自らの醜い部分に気づけ、受け入れつつある彼が、最終的にどのような人間に描かれるのか、これが本作の一つの見どころでしょうね。
そのためににフランケンシュタインを持ってきたのは、作者さんの力を感じます。

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