『スキップとローファー』の「江頭ミカ」へは、個人的に共感を抱きつつも、苦手なキャラクターでもあります。
どうしてミカのことを苦手なのか、私なりの考えを書いています。
ネタバレについては、アニメ1期より後の内容に触れているため、アニメ版のみで情報を得ている方には強いバレ要素になり得ます。バレても大丈夫な方のみ下方スクロールをお願いいたします。
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スキロー「江頭ミカ」
| 作品名 | スキップとローファー |
| 作者 | 高松美咲 |
| ジャンル | 青年、学園、恋愛 |
| 発行社 | 講談社 |
| レーベル | アフタヌーンKC |
前情報として、私は「単行本」で本作を読んでいます。
言い方を変えますと『アフタヌーン』の連載を読んでいません。本文に書かれている内容は厳密には最新ではないです。こちらもご了承なさってください。
この記事では「江頭ミカ(えがしら・みか)」について書いていきます。
以前、スキローの登場キャラの中でも、ミカへの読者の共感は大きいだろう、ということを理由とともに書きました。
下にリンクを貼った記事がそれ。
彼女のプロフィール的なことを含め、ぜひリンク先の記事をご覧になってください。
私自身もミカは共感できるキャラです。
しかし同時に、私にとって彼女は苦手なキャラでもあります。
共感できるのにどうして苦手なのか、理由をこの記事で触れていきます。
苦手な理由
どうしてミカのことを私が苦手なのか。
これはあくまでも「私が」である点にご注意下さい。一般的にそう思われているとか、読者の総意だとか、と言っているものではありません。
初動の悪さ
理由の一つは「初動の悪さ」です。
Scene1「ぴかぴかの高校生」で、入学式当日の教室にて、本作のメインキャラ「岩倉美津未(いわくら・みつみ)」(以降、みつみと表記)と席が前後になりました。みつみが前。
1学期の初っ端ですから名前順になっているということですね。岩倉の次が江頭だったという。
そこでみつみはミカに挨拶をしたのですが、ミカは一瞬みつみに目を合わせたのに、すぐスマホに目を落とし、落とした状態で「うん よろしくー」と答えました。
それを受けてみつみは「雑に扱われた …気がする」と感じています。
「悪意に鈍い」(Scene44「くしゃくしゃの心」8巻70ページより)みつみでも察しがつくくらいの「塩対応」でした。
しかし、その直後にみつみは「志摩聡介(しま・そうすけ)」から友だちになってと言われ、LINEでしょうか、IDまで聞かれています。
それを受けて、彼に目をつけていたミカは、先ほどの塩対応がなかったかのように、彼女からみつみに話しかけ、IDを聞き出しています。
しかも「席 前後なんだし仲良くしたいな♡」という台詞つきで。
要するに、2人がどのような関係か、みつみは何者か、彼を好きなのかと探りを入れたいのですね。もちろん、みつみはついでで、志摩とつながりたい、という狙いが一番でしょう。
相当に感じが悪いですよね、これ。
端から、みつみをカースト下位と見下しているのですから。
利用する
続くScene2「そわそわのカラオケボックス」でも、ミカの◯◯ムーブは発揮されます。
みつみをカラオケに誘うのです。
みつみだけではなく他の女子も、当然志摩を含めた男子も誘うのですね。
つまり、みつみを誘えば、彼女と友だちになった志摩も誘えると思ったから、「ダシ」に使ったのです。
ミカの誤算は「村重結月(むらしげ・ゆづき)」もカラオケに行く、と言い出したこと。
「男子に人気の女子学年トップ3に入る」(Scene36「テカテカの2年生」7巻19ページより)美人さんである「ゆづ」まで来ては自分が引き立たない、むしろ自分が結月の引き立て役に回ってしまう、と考えられるからです。
みつみを見下していることが、ここからもわかります。
他にも、志摩がみつみに優しいのはイケメンならではの処世術でやっていることであって、みつみを特別扱いしているのではなく、皆にやっていることだ的なことをみつみに言って牽制したり、みつみが不意に出した方言を聞き返したりしています。
明らかに志摩と仲良くするためのダシにされてんじゃん
Scene2「そわそわのカラオケボックス」より
意味わかる程度の方言 聞き返してバカにしたり
ミカの悪意を察知していた結月は、みつみを待ち伏せていたのでしょう、カラオケボックスの通路で彼女に上記引用部のように言っています。そのとおりなのでしょう。
しかし、ミカのその小賢しい手回しは失敗に終わります。
落ち込んでいたみつみは幼馴染の「ふみ」のフォローもあって立ち直り、むしろ開き直れて皆と親睦を深められましたし、志摩は彼女の狙いを見透かしていました。
詳しいことは1巻をご覧になって下さい。アニメ1期でももちろんOKです。
イジメられていたのに
ミカは小学校の頃に「イジメ」に遭っていました。
私 小学校の頃 若干いじめられてたかんね
Scene39「うだうだの帰り道」(7巻105ページ)より
引用文のように過去を告白しています。
そういう体験が彼女に、痩せたりファッションセンスを磨いたりメイクを覚えたりバレーボールを上手くなったり、といった努力をさせていて、中学ではカースト上位に仲間入りできました。
しかし、そんな彼女だからこそ、1話でみつみに対して行った塩対応や、2話で志摩と近づくためにみつみを利用したことを、すべきではなかったと思います。
された側の痛みをわかっているはずの人だからです。
ミカのそういうところが苦手ですね。
苦しむ
その後、彼女自身が自らの言動に苦しむことになります。
そうじゃないことくらい知ってる
Scene14「ムワムワの動物園」(3巻)より
誰でもうらやましがる男の子連れたら 自分も何かになれると思ってるのは私
球技大会などを経て、みつみと仲良くなるにつれ、また、志摩の人間を知るにつれ、みつみと志摩のお互いを思いやる言動を目の当たりにするにつれ、自らの浅はかさや浅ましさに嫌でも気づかされたから。
自覚的になって以降、今度は逆に周りに配慮しすぎるくらい配慮する、優しい子になっている印象です。
メタ的に言えば
ただ、メタ的に考えると、序盤とその後の彼女の違いは仕方ないだろうなとも思います。
作者さんは、おそらく物語序盤の話をある程度決めていただけで、その後の展開までは考えていなったのだと思います。
いずれ仲良しにさせる意図はあったかもしれないですけど、序盤を越えて以降の細かい物語は、掲載後の読者の反応を見てから、編集と決めていったのではないかと私は想像しています。
プロの漫画家は客商売ですから、読者の反応を見て方向性を決めるでしょうし、設定の辻褄合わせもその都度していくのでしょう。
辻褄合わせをしたとしても、しかし、齟齬はどうしても出てしまうものです。
例えば、結月が序盤にツンとしたキャラだったのですが、途中から別人レベルでキャラが変わっていきます。結月自身に物語の中で言い訳をさせていました(そのように私には読めました)が、修正していけるものはこのようにしていくのでしょう。
修正が難しいくらい大幅な変更は、あえて触れない方法を採ることもあろうかと思います。
ミカで言えば、上に書きましたように、太っていたとかイジメられていたとか、自分を変えるべく努力をしたとか、ざっくりとは考えていたとしても、細かいところまでは決めていなかったのでしょう。
あるいは決めていたとしても、作品に描くつもりがなかったか。
みつみとミカと結月と誠を、あんなに仲良くさせるつもりは、物語を始めるときにはなかった可能性もあります。
だからこそ、後から見れば「ミカがすべきではない行為」を最序盤にさせてしまったのだと、私には読めます。
そしてそれが、物語の内容だけを見ればミカのその言っていることとやっていることの矛盾に通じてしまい、私には違和感となって読め、彼女のことを苦手に感じさせてもいるのだと思います。
でも他の記事で書いたとおり、好きなキャラでもあるのですよ。
今回ご紹介した最序盤の言動を除けば、彼女の色々と気づけるが故の苦しみは、強く共感しますから。
まとめ
まとめます。
『スキップとローファー』の江頭ミカは強く共感するが、苦手なキャラでもある。
理由は1話と2話のみつみに対する言動で、志摩と近づくためにみつみを利用しているし、見下しているから。
彼女にはいじめられていた過去がゆえに、みつみが感じたであろう痛みを誰よりわかる立場のはずなのに、そういうことをしたことが苦手。
メタなことを言えば、物語の開始当初、作者や編集はミカを、その後の彼女のようにする予定がなかった可能性がありそうに思え、であるなら仕方ないとも感じられる。
というのが、私なりの解釈と感想でした。
本文に書いたことは私の意見や解釈でしかありません。今回で言えばメタがどうこう言っている部分は完全に私の想像です。ですので書かれていることを鵜呑みになさらずに読んでいただけると幸いです。
ということで、今回はここまでになります。
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。
今回の考察の場面を原作で読んでみたいあなたへ
今回の考察はいかがだったでしょうか?
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例えば、ミカの初動の悪さは単行本1巻で確認することができます。
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物語序盤は、作者さんが各キャラの性格をつかみきれていない、ということもあるかもしれないですね。
それはそうと、一人のキャラでこれだけ語れるほどの情報量がある。
この事実を見ても、スキップとローファーが素晴らしい作品だとわかります。
作者さんのキャラクターへの愛がありますよね。
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