『スキップとローファー』にて、メインキャラクター「岩倉美津未」が2年に進級してから、追加されたキャラクターが何人かいます。
進級のタイミングは単行本で言いますと、本格的には7巻からですね。
その中でも厄介そうな人物が2人いて、より厄介そうな人が「八坂千笑璃」です。
彼女は、みつみが今までの人生で出会ったことのないタイプの人間でしょう。
八坂はどのような子か、性格や考え方、生活などを調べて、感想を書いています。
ネタバレについては、アニメ版だけ観ている方=雑誌の連載や単行本を読んでいない方には強めのバレ要素が含まれます。バレても大丈夫な方のみ下方スクロールをお願いいたします。
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スキローの八坂って誰?
| 作品名 | スキップとローファー |
| 作者 | 高松美咲 |
| ジャンル | 青年、学園、恋愛 |
| 発行社 | 講談社 |
| レーベル | アフタヌーンKC |
これから「八坂」のことを書かせていただきます。その前に事前情報として、私は単行本派ですので、『アフタヌーン』の連載は読んでいません。
本文の内容は、厳密には最新ではないです。その旨、ご了承ください。
八坂千笑璃についてです。
彼女は本作のメインキャラ「岩倉美津未(いわくら・みつみ)」(以降、美津未やみつみと表記)の高校2年時のクラスメイトの一人です。
2年進級と同時に追加された新キャラということになります。
名前の読み方は「やさか・ちえり」。
茶髪でボブカット(ボブの定義をよくわかっていないですが)と言えばいいでしょうか、タレ目。
性格は?
性格は「ぶりっ子」です。
いわゆる「男ったらし」、クラスの男子を「落とす」ことだけを考えているかのような言動を取ります。
逆を言えば「同性から嫌わられる」タイプでしょう。本人もそれを自覚しているようですが、気にしていない様子。強い。
男と女で態度違うってね
Scene40 ザクザクの登山(7巻124ページ)より
(略)
桑原さんの友達の彼氏を八坂さんがとったって去年 超~~~もめてたんだよ
それに対する八坂さんの反応は男の方が言い寄ってきたんだし、ちょっと優しく返したくらいで勘違いするような男と別れられてよかったんじゃない、という具合です。
確かに彼女の言うとおり男も大概ですけど、色々とわかった上で自発的にそそのかす言動を取った八坂が、まったく悪くないなんてこともないでしょう、と思いますが。
八坂と志摩は同類?
八坂さんは、本作のもう一人のメインキャラ「志摩聡介(しま・そうすけ)」と似たキャラクターです。女版・志摩聡介。
二人は同類
興味ないよん たぶん同類だし
Scene44 くしゃくしゃの心(8巻65ページ)より
絶対めんどくさいもん
八坂の台詞です。
朝、下駄箱付近で、クラスメイトの女子に囲まれている志摩がハンカチを落としたことに気づかず、八坂がそれに気づいて拾って手渡すと、取り巻きの女子たちが警戒心を顕にしたことへの、心の中で反論した様子が引用部。
つーか 八坂さんのこともぜんぜん 笑えなくないか? オレ
Scene65 てくてくの修学旅行<3>(11巻153ページ)より
こちらは志摩の台詞。
八坂が修学旅行でもやっぱり男ったらしなところを発揮して、行動班の中である事件を起こしました。
彼女と同じ班のみつみが、その事件のことを志摩に話したときの、彼の反応が引用部。
このように、お互いがお互いに「自分に似ている」と思っています。
どこが似ているか
どのような意味で同類なのか、これは「人ったらし」なところでしょう。良くも悪くも、いや、どちらかと言うと悪い意味で。
具体的にどのようなところが似ているか、これは八坂自らが語っているシーンがあります。
それってたぶん「誘いたかったから誘っただけ」だよ
自分がどう思ってるとか 相手にどう思われるとか
ぜんぜん考えてない……ってか考えないようにしてるんじゃない?
だってその方が楽だし(え……でもそれって自分にも相手にも不誠実じゃない?)
Scene60 モニョモニョの発言(11巻25~26ページ)より
「こうするべき」とか考えてたらそうかもね?
でも自分の「だってこうしたかったんだもん」には誠実なんだよ
引用部は、修学旅行の自由時間で、志摩がみつみに◯◯◯をしたいと言ってきたことに対して、みつみが親友3人に相談を持ちかけたけれど、誰も彼の真意をつかめずにいたとき、偶然に近くを通りかかった八坂を引き止め、彼女に意見をうかがったときの、彼女の台詞です。カッコ内は、みつみの台詞。
達観していますよね。
志摩と特別仲がよくない彼女が、どうしてこんなことまでわかるのか。
実際に志摩の心理として正しいかはわからないと思いますけど、彼女は「断言」しているのです。
言い切れることができる理由は、やはり二人が「同類」だからでしょう。
彼女は志摩のことを話しているつもりでしょうけど、単に「自分の心理や思考」を述べているのだと思います。
ただし、この2人は根本的には異なるとも感じられます。自覚的に動いている八坂と、無自覚な志摩では。
果たしてどちらが比較的まともなのか、どちらがより悪質なのか。自覚的なのも怖いですけど、無自覚なのも十分怖いですよね。どっちも嫌だ。
しかし、時間を経るにつれ、志摩はだいぶそういう人ったらしな自分を省みるようになっていて、そういう自分からの脱却を試みているように感じられます。
それも、真っ直ぐに育ってきた、みつみの影響なのでしょう。
分析的
非常に「分析的」です。
俯瞰しているというか達観しています。
達観というより諦観なのかもわかりませんが(詳しくは後述します)。
結月とみつみ
例えばみつみの親友の一人「村重結月(むらしげ・ゆづき)」のことを「正直者なんだろうけど 要領 悪いな~」と「Scene40 ザクザクの登山」(7巻127ページ)で発言しています。
結月は派手な顔立ちの美少女であるが故に、自分のことをろくに知らない男からよく言い寄られますけど、見た目とは裏腹な(?)生真面目さのために、人間関係に苦しんできた子です。
高校に進学してからも、同じことで苦しんでいる様子は作中何度か描かれています。
そして、みつみの真っ直ぐさ、純粋さ、もっと言えば「正しさ」に対しても、彼女は次のように分析しました。
「岩倉さんは 他人の評価なんかどうでもいいって言い切れるくらい 愛されて生きてきたんだね」Scene44 くしゃくしゃの心(8巻73ページ)より。
この言葉は、胸に「鉛」が落ちたような衝撃があったようです。みつみにとって。
私はこの場面を読んで、この言葉にどうしてみつみが傷ついたのかがわからなかったのですよね。
堂々と「そうだよ」って言い返してしまえばよかったのに。笑顔で。
子どもは生まれてくる環境を選べないですから、仕方ないですよ。環境が悪いだけでなく、良いことだって同じです。
八坂の意見はただの僻みにしか聞こえないし、自分の環境や考えを否定されたって、自分は悪くないのなら気にすることなんてないです。
八坂と志摩に共感
ただ、みつみが不平を漏らしたときの志摩の行動は、私はわからなくはないですね。
このとき志摩とみつみはつき合っていたけど、周りには秘密にしていたため、取り巻きの女子から2人はつき合っているのかと聞かれ、続けざま、露骨にみつみを馬鹿にしたのに、志摩は怒ることも制することもせず、あえて話を受け流す対処をしました。
今後もクラスでうまくやるために、彼なりの処世術として、場を平穏に納めたかったのでしょう。
それがみつみにとっては嫌だったのです。それは違うんじゃないかと、かばって欲しいと思うのは当たり前じゃないのかと。
馬鹿にすることを認めているようにも受け取れますからね。
そんなみつみに対して、その場にいた八坂は、志摩をフォローするようなことを言います。
が、八坂に対しても、みつみはさらに正論をぶつけてきたので、八坂の引用部のような言葉が出ています。
この場面に関しては、志摩と八坂の言うことの方が、私にはしっくりきます。
みつみには八方美人と映るでしょうけど、彼には彼の人間関係が今後も続くので。
一方でみつみの気持ちもよくわかります。
みつみにとって彼は、初の恋人です。
しかも付き合い始めたばかりでもあるので、特別扱いされたい気持ちがある。
それももちろんわかります、大昔ですけど、私にも初めてつき合った異性はいたので。
つき合ったときの、人に認められる肯定感って得がたいし、代えがたいものがありますからね。
この場面ではどちらが正しいというものはないな、というのが個人的な印象でした。
家庭環境
八坂と志摩はお互いに「同類」と思っています。
どうして二人がそういう「人ったらし」になったのか、それはお互いに「家庭環境」が影響している印象をもちます。
志摩は、特に母親との関係に問題がありました。
簡単に書きますと、子役時代の母親の行き過ぎた自分への思い入れから、母親の期待する自分であろうとし、他人にも他人が求める自分であろうとした結果、当たり障りのない、人ったらし、一定の距離感を持っている人にとってはパーフェクトな彼が出来上がっています。
母親は息子のためと言いつつ、いつの間にか自分のために子をスターに仕立てようと、躍起になっていた、と子(志摩)が感じていた。
しかも、両親は離婚をしたことから、どちらからも愛情を感じていないと彼自身感じている可能性です。
あまり作品では語られませんけど、父親も大概なのですけどね。
しかし父親のことはほとんど語られていないので、彼にとっては母親の言動の方が重要なのでしょう。
八坂も親子関係に問題がある、という意味で似ています。
「Scene44 くしゃくしゃの心」では、液晶が割れているのにスマホを使っていたり、洋服などが煩雑に投げ出されるなど、整理整頓がまるでなされていない部屋、朝にもかかわらず家に親がいない、テーブルに1万円札が2枚置かれているところから1枚をピッと取り出し家を発つ様子が描かれています(8巻60~61ページより)。
それらから、彼女は母親がいない「父子家庭」であろうと思われます。
父から寄せられる愛情が希薄、あるいは無い、と彼女は捉えていることを示唆しているシーンに読み取れますので。
妻はいないけどつき合っている女がいて、娘がいる手前でしょうか、その人とは外で会っていて、朝になっても帰ってこない、ということ。
そのように私は思っているだけで、正しい認識かはわかりません。
彼女もやはり親からの愛情が乏しい人で、その意味で2人は共通しているように私には思えます。
そんな親からの愛が乏しいからこそ、自分の身を自分で守ろうとする意識は、みつみのように両親からの愛情をたんまり受けている人より強く働くものかもしれません。
思いどおりにならなかった人間の 顔のゆがむ瞬間が嫌い
Scene64 てくてくの修学旅行<2>(11巻131~132ページ)より
(略)
みんな私を好きになって
八坂の、修学旅行のある騒動を、行動班の中で話し合っていたときの、彼女の心の台詞です。
こちらの台詞からも、彼女が愛情に飢えている様子がうかがえますし、嫌われることを極端に怖がっているようにも受け取ることができます。
自己肯定感が低い、とも言えるでしょう。
その場面では、父親と思われる男性から「冷めた視線」を向けられているカットも挿入されていて。
関係が破綻しているのだろうな、と思わせます。
一体、何があったのでしょうね。
まとめ
まとめます。
『スキップとローファー』の八坂は志摩と同類。
どちらも自分がそうしたいから動いている、自分の気持ちに正直な人、人ったらし、結果として異性をその気にさせてしまうところがよく似ている。
しかし、行動が自覚的か無自覚かの違いは大きいようにも。
また、どちらも親との関係がうまく行っていないこと、自己肯定感が減退していること、愛情に飢えていることでも共通しているし、2人の人ったらしな理由も家庭環境にありそう。
というのが、私なりの解釈や感想でした。
本文に書いたことはあくまでも私個人の感想です。つまり一意見でしかないため、これが正しいとか真実だとかと言っているものとは異なります。異なる意見や感想もあって当たり前、ぜひご自身でも本作を読んで、ご自身なりの解釈を持っていただくと嬉しいです。
特に氏家のことは私の願望ですので、鵜呑みにはしないでくださいね。
ということで、今回はここまでです。
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。
今回の考察の場面を原作で読んでみたいあなたへ
今回の考察はいかがだったでしょうか?
この記事に掲載されているエピソードを漫画で読んでみたい!
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