『スキップとローファー』単行本9巻の感想です。
話数は48話から53話の内容になります。
ネタバレは、あまりに過ぎることには触れません。しかし、アニメ2期に触れる内容と思われますので、バレても大丈夫な方のみ下方スクロールをお願いいたします。
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漫画『スキップとローファー』第9巻
| 作品名 | スキップとローファー |
| 作者 | 高松美咲 |
| 単行本1巻発行日 | 2019年01月23日 |
| ジャンル | 青年、学園、恋愛 |
| 発行社 | 講談社 |
| レーベル | アフタヌーンKC |
| 巻数 | 既刊12巻 |
漫画『スキップとローファー』第9巻について。
9巻の発売日は2023年8月23日。
8巻の発売日は2023年1月23日ですので7ヶ月ぶりの発売になります。
話数にしますと48話から53話までの内容が収められています。
具体的には48話「コロコロの片想い」、49話「ワクワクの旅行計画」、50話「ギクシャクの登校日」、51話「ドキドキの海 (1) 」、52話「ドキドキの海 (2) 」、53話「ドキドキの海 (3) 」です。
山田が二軍落ちか
1年のクラスメイト「山田建斗(やまだ・けんと)」に大きな動きがありました。
山田はずっと「村重結月(むらしげ・ゆづき)」のことを好きだったはずですけど、結月とは異なる女の子と「付き合う」ことになりました。
2年のクラスメイト「友枝芽衣子」と。
以前から彼は、結月を綺麗とか何とかいいつつ、他の子にも可能性を広げていました。来る者拒まず。
1年時も2年時も、そしておそらく中学までも、彼はお調子者でクラスやグループのムードメイカー、作中にある言葉を使えば「にぎやかし」ポジションにいて、女子からはなかなか恋の対象として見てもらえていなかったようです。
そんな山田を、優しいとかかっこいいとかと見ていた人もいて、そんな彼女の想いを知った山田は、それまで誰でもいいと思っていたけど、どうもそういう訳ではなかったんだと自分で気づくことができたみたいでした。
付き合う前に芽衣子の友だちから、結月のことが高嶺の花で手が届かないから諦め、手の届きそうな芽衣子に行くのは止めてよね、と釘を差されていました。
これは個人的に結構耳の痛い話で、私も学生時代に同じようなことを言われた記憶があります。
「◯◯(私の名前)は釣り針をたくさん垂らして、魚がかかるのを待っている」と。
でも、今思うことは、山田がそうしたように、そのとき相性のいい人、近くにいる人と付き合うことが悪いことではない、特に学生時代はそれでいいと思うのですよね。
想った一人を追い続けることももちろん素晴らしいことですけど、一途にい過ぎたことでそれまでに経験し得た経験を逃す可能性だってある訳なので。
色々と手を出して自分が痛い思いをすることもあるでしょう。でもそれを含めて人生経験ですからね。どんどん交際すればいい、とおっさんになった今は思います。
付き合ってみてわかることも、「ことも」というか付き合ってみないとわからないことが、たくさんありますから。
なので山田が、結月ではなく自分に好意を寄せてくれた芽衣子と付き合うことは、個人的にはとてもいい判断だと感じました。
見た目にもキャラクター的にもよく合った2人に見えます。
メタ的に言えば、今回の人事によって、山田は物語のメインから外れたことも意味していそうです。
作者の高松美咲さんが、新キャラ(芽衣子)をわざわざ登場させてまで山田と付き合わせたことで、彼を表舞台から退かせたなと。
実際に直後の石川旅行でも、11巻の修学旅行でも、山田はメインキャラクターたちと大きくかかわらなくなっているように思います。
彼に興味のない結月と付き合わせるのは無理やり感がありますし、これまでも男子メンバーの中でも迎井ほど志摩に絡んでいませんでしたし、メインキャラである「美津未(以下、みつみ)」の恋愛や学校行事、部活動・生徒会活動の話にあまり入ってきませんでした。
端的に言えば、彼はずっと中途半端な立ち位置にいたことから、ここいらで人員を整理する必要が出てきたのでしょう。
2年から登場した八坂さんと氏家くんのキャラが強烈なこともあって、山田のキャラはどうしても一枚二枚格が落ちるイメージを拭えません。
なので彼女を登場させることで、彼には二軍にご退場願ったということかな、と個人的に思っています。
私が勝手に思っていることですから、公式にそういうことだということではありません。
氏家くんが好き
みつみは氏家くんといい感じです。
生徒会の会長と副会長という間柄で、生徒会長を決める選挙ではライバルでもありましたが、その後お互いに腹を割って、泣き合って、話し合ったことから心を許し合う仲になれたよう。
心を許し合うというとやや言い過ぎかも、お互いの距離感がちょうどよくなった、という感じです。
生徒会の後輩たちも誤解していましたし、志摩くんも距離が近いことを心配していました(自分のことを棚に上げて)が、確かにこの2人はよく似合っているように私にも思えます。
みつみが氏家くんを気にかけていて、彼のロン毛が作業の邪魔になっていそうなことを言った翌日(?)に長髪をバッサリ切ってきたこと。彼が頬を赤らめながら好きな人がいると言ったこと。夕方の教室(生徒会の事務室?)で2人きり。
これらはどちらも「氏家くんはみつみを好きなのでは」と思わせる言動やシチュエーションで、読んでいて楽しめました。違うだろうとわかっていながらも。
私、氏家くんが好きなキャラクターなのですよね。
本作で1,2を争うほど好きかもしれません。
女子ではミカが一番好きです。

みつみと彼の口喧嘩のときに、みつみが他の誰に対しても見せない表情や言葉を見ることができますし、彼が物語に入ったことで、物語がまた新たな色を見せているなと感じます。
例えば、50話内80ページでみつみの「オイ~!」と頭から氏家くんに当たっていたり、次のコマの「ンギィ~~~!!」のセリフだったり、は他のキャラにはまずしない言動ですので、新鮮です。
男子キャラに対しては、唯一と言っていいくらい、素のみつみを見せている相手なのではないでしょうか。地元の子たちを除けば。
志摩くんにさえ見せない表情や言葉遣いでしょうね。
氏家くんは、志摩くんのある意味でライバルです。
いえ、氏家くん的にはライバルにはなっていないのですけど、現在の志摩くんには氏家くんはライバルになり得ていますね。
彼女に近づけて、気兼ねなく話せて、喧嘩までできる。羨ましいのではないでしょうか。
氏家くんに彼女ができて欲しいですね。
あの人と恋人関係なるのでしょうか、先が楽しみです。

恋人としての好き・人としての好き
9巻は、みつみがいつものメンバーを誘って、夏休みに石川県にある自分の実家に帰っています。
みつみにとっては帰郷ですが、皆にとっては大規模な旅行です。いや、東京での暮らしに慣れたみつみにとっても旅行になりつつあるのかもしれません。
岩倉家の近くにある海へ海水浴に行き、海にある施設内のお風呂、温泉でしょうか、に入った志摩くんと迎井くんとで、「好き」について話し合いをしているシーンがありました。
53話「ドキドキの海(3)」、149ページから数ページです。
このやり取りは、私たち読者が志摩聡介という人間と、スキローの恋愛事情を理解する上で、とても重要なやり取りになっているように思います。
2人は「好きの種類」による「想いの強さランキング」みたいな話を始めます。
「人として」「友だちとして」「恋人として」の、どの好きがすごいか・すごくないかのランキングです。
志摩くんは「(すごい)人として→友だちとして→恋人として(すごくない)」とランクづけ。
迎井くんは「(すごい)恋人として→友だちとして→人として(すごくない)」とランクづけをしました。
みつみは「2人の好きの種類の違い」から、志摩くんとはああいうことになある選択をし、志摩くんもそれを受け入れました。8巻の話です。
しかし、それは種類の違いというより、ランクにあるように「好きのすごさ」がそもそも違うから起こっていることではないのか、という話になっていそうです。
みつみがどちら側かわかりませんけど、仮に彼女が迎井くんと同じ考えを持っているとしたら、7巻の終わりに彼女が志摩くんに言ったことは、彼女にとって最上級の好意であり行為になります。
そして志摩くんは、みつみのことを人としてすごく好きと考えているのですから、最上級に好き、ということなるのですよね。
ただ、彼は他人とは大きく異なるであろう価値観で人を評価しているので、その違いを他人が理解できていないから、色々な齟齬が起こっています。
他人が理解できないどころか、志摩くん自身も正確に理解できていないですから、そりゃあ皆はもっと混乱するよね、という話です。
と考えますと、みつみとは長く続かなかったことも納得できますし、やり直しも十分あり得る話なんだよね、と思います。
価値観の違いこそあれ、みつみと志摩くんはお互いに強い愛情を注いでいることになるのですから。
164ページで志摩くんが夕方の砂浜で見せた表情も、彼がそれを自覚したとわかりますし。
今後は、お互いにこの価値観の相違をお互いに気づいて、擦り合わせることができるのか、そういう話になっていきそうですね。

今回の考察の場面を原作で読んでみたいあなたへ
今回の考察はいかがだったでしょうか?
好きなキャラです。今後に向けて大事なやり取りになりそうな志摩くんと向井と恋愛談義をじっくり読んでみてください。
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氏家くんもいいキャラですよね。好きなキャラです。
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ということで、今回はここまで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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